新規
団体名 : グリーンパートナーおかやま
活動地域: 岡山県
活動名 : 海ゴミから流域環境を考えるプロジェクト
活動内容: 里海保全をテーマにしたシンポジウムの開催と底曳き網漁船による海底ゴミの回収学習体験など。
LOVE BLUE
~地球の未来を~
[特定非営利活動法人 グリーンパートナーおかやま]
[特定非営利活動法人 グリーンパートナーおかやま]
日時平成28年8月20日(土)-21日(日)
「海をきれいにすること。それはすなわち、川を汚さないことであり、森を育てること」。このように考え、美しい瀬戸内海を取り戻すための活動を続けているのが、特定非営利活動法人グリーンパートナーおかやまです。本年度は、つり環境ビジョンコンセプトに基づくLOVE BLUE事業のひとつ、地球環境基金企業協働プロジェクト「つり環境ビジョン助成」により「海ゴミから流域環境を考えるプロジェクト」を8月20日(土)と8月21日(日)の2日間実施。1日目は「里海シンポジウム」、2日目は「海底探検隊2016 in 小豆島」が行なわれました。
「海をきれいにすること。それはすなわち、川を汚さないことであり、森を育てること」。このように考え、美しい瀬戸内海を取り戻すための活動を続けているのが、特定非営利活動法人グリーンパートナーおかやまです。本年度は、つり環境ビジョンコンセプトに基づくLOVE BLUE事業のひとつ、地球環境基金企業協働プロジェクト「つり環境ビジョン助成」により「海ゴミから流域環境を考えるプロジェクト」を8月20日(土)と8月21日(日)の2日間実施。1日目は「里海シンポジウム」、2日目は「海底探検隊2016 in 小豆島」が行なわれました。
里海の未来を考える
シンポジウムを開催
 多くの島々が浮かぶ瀬戸内海の美しい風景を、かつて新渡戸稲造は「瀬戸内海は世界の宝石」と評しました。しかし、その海底には陸上などから流れ出たゴミが沈んでおり、また、その大半は生活ゴミであることも明らかに。目に見えにくい海底堆積ゴミの問題を解決するため、海底や河川のゴミを可視化し、地元の皆さんをはじめ自治体などと連携した啓発活動をおこなっているのが特定非営利活動法人グリーンパートナーおかやまです。
美しい瀬戸内海の海。この美しさを守るためにも、地域に暮らす人たちを中心に、環境への意識を高めていくことが大切なのです。
「岡山の河川流域から流れてきたと思われる大量の生活ゴミが、瀬戸内海の海底に堆積しています。美しい瀬戸内海を取り戻すため、岡山県内でもさまざまな取り組みが行なわれてきました。しかし、もっと多くの人たちがこの海底堆積ゴミの存在を知り、理解を深めることが不可欠です。今こそ関係者の実践事例を持ち寄って、より多くの人たちが海底ゴミ対策を考える場が必要! そのような想いから『海ゴミから流域環境を考えるプロジェクト』を企画しました」(特定非営利活動法人グリーンパートナーおかやま理事長 藤原瑠美子さん)

 グリーンパートナーおかやまの「海ゴミから流域環境を考えるプロジェクト」では3つの事業が計画されました。1つ目は広く県民の環境保全意識を醸成するため、里海(※1)の保全をテーマに学識経験者を交えた「里海シンポジウム」の開催。2つ目は、瀬戸内海の小豆島周辺で底曳網船による海底ゴミ回収の体験学習とワークショップをおこなう「海底探検隊2016」の開催。そして3つ目が、県内の一級河川におけるゴミの状況について、各種団体と連携して情報収集するとともに、河川清掃を実施する「河川ゴミ調査と清掃活動」です。今回は8月20日(土)に開催された「里海シンポジウム」と、その翌日21日(日)に開催された「海底探検隊2016 in 小豆島」の取材をおこないました。
グリーンパートナーおかやま 理事長の藤原瑠美子さん。平成10年、瀬戸内海国立公園に含まれる岡山県の金甲山における、産業廃棄物処分場建設計画に反対する活動からスタートし、身近な自然環境を守る活動へと発展しました。平成12年に「グリーンパートナーおかやま」を発足させ、平成14年NPO法人化しました。
 8月20日(土)に開催の「里海シンポジウム」には約100名が来場。理事長の藤原瑠美子さん、環境省中国四国地方環境事務所所長の牛場雅己さんのご挨拶のあと、基調講演が行われました。
 最初に登壇されたのは、奈良県立大学名誉教授の西田正憲さん。「瀬戸内海の風景再発見」を演題に、里海の魅力を風景論から考える講演内容でした。自然風景の発見に関する日本人と欧米人との見方の違い、かつて瀬戸内海がどのように評価されていたかなど、具体的な事例を交えたお話でした。
 次に九州大学 応用力学研究所教授/応用力学研究所 附属東アジア海洋大気環境研究センター長の磯辺篤彦さんが登壇。「海洋プラスチック汚染 ~漂流するマイクロプラスチック~」を演題に、見えない海洋汚染の実態について講演されました。

 その後、特定非営利活動法人里海づくり研究会議事務局長の田中丈裕さん、岡山大学大学院環境生命科学研究科教授の嶋一徹さん、山陽新聞社論説委員会副主幹の岡山一郎さんを迎え、パネルディスカッションを実施。自然の浄化機能やアマモ場などをテーマにさまざまな意見が飛び交い、里海の未来について来場者の皆さんも聞き入っていました。
岡山市内にある西川アイプラザで行なわれた「里海シンポジウム」。奈良県立大学名誉教授の西田正憲さん(写真左)は「瀬戸内海の風景再発見」をテーマに、九州大学 応用力学研究所教授/応用力学研究所 附属東アジア海洋大気環境研究センター長の磯辺篤彦さん(写真右)は「海洋プラスチック汚染 ~漂流するマイクロプラスチック~」をテーマに講演。このシンポジウムの開催にも、「つり環境ビジョン助成」をお役立ていただきました。
活動の飛躍に貢献したつり環境ビジョン助成   
 8月21日(日)に開催した「海底探検隊2016 in 小豆島」には約80名が参加。朝9時、新岡山港には多くの子供たちが集まりました。出港して香川県の小豆島を目指す途中に、底曳網船による海ゴミの回収を見学。多くの海ゴミが引き揚げられる実態を目の当たりにしました。小豆島の土庄町・四海漁港に到着すると、まずは参加者全員で海から回収されたゴミを種類ごとに分別。この日は缶、ビンやペットボトル、レジ袋などのビニール類、流木などが回収されました。この分別でわかったことは、海には生活ゴミが数多く流れ込んでいるという現実。海ゴミに対する問題意識を、改めて胸に深く刻ませる体験学習でした。

 昼食をはさみ、里海への愛着を深めるネイチャーゲーム(※2)を実施。その後の海ゴミについて考えるワークショップでは、海ゴミをなくすために「家」「学校・職場」「買い物」という3つの場面でどう行動すべきか、大人と子供たちが一緒になってグループごとに意見を出し合いました。「3Rを心掛けよう」「再度使用可能な容器を持って行こう」「無駄な買い物はやめよう」など、さまざまな意見交換がなされ、最後に「ゴミを出さない、少なくすることを考えよう」とまとめ、ワークショップを締めくくりました。
参加者は底曳網船に乗り込み、底曳網による海ゴミの引き上げを見学。グリーパートナーおかやまの皆さんの活動に、地元の漁業者の皆さんは積極的に協力してくださっています。
海底から引き揚げた海ゴミを、参加者全員で分別しました。その多くは生活ゴミ。その実態を記録するために、分別作業では空き缶などのバーコードまで確認して、海ゴミの現状を調査しました。
ワークショップでは、参加者一同で海ゴミの現状を共有し、どうすればゴミを減らせるか、議論していました。
「活動の継続にとって、助成金の存在は本当にありがたいです。今回、つり環境ビジョン助成の採択が決まったとき、スタッフ皆で大喜びしました。本当に感謝しています。必死で活動を続けていると、活動を盛り上げたいという方々が集まってきてくれるんです。それは参加してくださった方々の目を見てくださればわかると思います。一生懸命に活動を続ければ、必ず声が届くのですね。環境意識を高くもつ本気のみんなが繋がって、活動の輪が広がりつつあります。グリーンパートナーおかやまの目標は、2031年までに地球環境サミットを実現させること。世界中に呼びかけて、スカイプを通じて1日中やってもいいと思っています。そのためにも、今後も取り組みは、太く広く続けていきますよ。つり環境ビジョン助成に支援していただけたことは、確実に活動の飛躍に繋がりました」(理事長 藤原瑠美子さん)
「まずは自分が行動する」と活動を続けてきた理事長の藤原瑠美子さんをはじめとして、多くのボランティアスタッフの皆さんとともに、地元の豊かな海を、子供たちに美しいままバトンタッチする活動を行っているグリーンパートナーおかやま。この活動に共感された多くの方々が「海ゴミから流域環境を考えるプロジェクト」を支えています。このような活動に「つり環境ビジョン助成」はお役立ていただいております。

次回のAction Reportもお楽しみに!

※1: 里海とは、人手が加わることにより生物生産性と生物多様性が高くなった沿岸地域のこと。人と自然の領域の中間点にあるエリアでもあり、陸地でいう里山と同じく人と自然が共生する場所でもあります。(参考/環境省 里海ネット)

※2: ネイチャーゲームとは、自然体験プログラムのこと。自然の不思議や仕組みを学び、自然と自分が一体であることに気づくことを目的としています。