新規
団体名 : やったろうde高島
活動地域: 長崎県
活動内容: 珊瑚ツーリズムの創造
LOVE BLUE
~地球の未来を~
[やったろうde高島]
[やったろうde高島]
日程平成29年7月1日(土)
かつて炭鉱の島として栄えた、長崎県長崎市高島町。現在は珊瑚に囲まれた美しい海を観光資源に、釣りやシュノーケリングを楽しめる絶好のスポットとしてファンを増やしています。そんな高島の海を守り、魅力を伝えていくためのエコツーリズム活動を続けているのが「やったろうde高島」です。今回は、つり環境ビジョンコンセプトに基づくLOVE BLUE事業 地球環境基金企業協働プロジェクト「LOVE BLUE助成」により、環境教育活動「高島クリーン作戦」を実施。長崎市立高島小中学校の児童・生徒の皆さんを対象にした、環境教育の授業を行いました。高島の海を守る「やったろうde高島」の活動と、その想いを取材しました。
かつて炭鉱の島として栄えた、長崎県長崎市高島町。現在は珊瑚に囲まれた美しい海を観光資源に、釣りやシュノーケリングを楽しめる絶好のスポットとしてファンを増やしています。そんな高島の海を守り、魅力を伝えていくためのエコツーリズム活動を続けているのが「やったろうde高島」です。今回は、つり環境ビジョンコンセプトに基づくLOVE BLUE事業 地球環境基金企業協働プロジェクト「LOVE BLUE助成」により、環境教育活動「高島クリーン作戦」を実施。長崎市立高島小中学校の児童・生徒の皆さんを対象にした、環境教育の授業を行いました。高島の海を守る「やったろうde高島」の活動と、その想いを取材しました。
美しい高島の海を守るため、
LOVE BLUE助成を活用
 長崎港の南西約14.5キロメートルの洋上に浮かぶ離島、高島。かつて高島は、端島(軍艦島)とともに炭鉱で繁栄した町で、明治維新にも影響を与えたとされるトーマス・グラバーも肥前藩との炭坑事業の共同開発・経営のためこの島を訪れました。石炭採掘最盛期には高島・端島合わせて約22,000人が住んでいましたが、エネルギー革命により昭和49年(1974年)に端島炭坑が閉山、高島炭坑も昭和61年(1986年)に閉山します。島内には日本で初めて蒸気機関を導入した近代竪坑「北渓井坑跡」をはじめとする高島炭坑の遺構が点在。隣の端島炭坑とともに、これら2つの炭坑遺構は平成27年に『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業』として世界遺産に登録。現在、高島には約380人が住み、それら史跡をはじめ、磯釣り公園やシュノーケリングが体験できる人工海水浴場を備え、美しい海を活かした島おこしを行っています。そんな高島の宝を守り、伝えていくための活動を続けているのが、平成29年度「LOVE BLUE助成」新規助成団体「やったろうde高島」です。
環境省選定の日本の水浴場88選にも選ばれている高島海水浴場。親水護岸やウッドデッキ、休憩所が整備され、夏の海水浴シーズンには連日多くの海水浴客で賑わいます。海水浴場のエリア内には珊瑚が群生。絶好のシュノーケリング・スポットとしても人気です。
「やったろうde高島」のメンバー。右から事務局の小村秀蔵さん、副会長の竹本富彦さん、会長の福村学さん、長崎市地域おこし協力隊の高橋哲夫さん。専属スタッフは小村さんのみで、他メンバーは地元で仕事をしながら団体の活動を運営しています。
 珊瑚に囲まれた美しい海という、高島の観光資源を県外にも広くアピールすることで、島の活性化を図ってきた「やったろうde高島」。体験者の環境への意識向上を基本として、プログラムの中で環境保全の大切さを伝えていることなどが評価され、今年(平成29年)は「第十二回全国エコツーリズム大賞」特別賞を受賞しました。この体験プログラムは、「シュノーケリングピクニック®」と名付けられ、海中景観を楽しむレジャーの中で最も手軽と言われているシュノーケリングを、珊瑚に囲まれた高島の海でピクニックのように楽しんで欲しいという想いが込められています。(商標登録を受けています。)

事務局の小村秀蔵さんを中心に活動を始めた平成23年当時は、ウェットスーツ10着からスタート。以降、コツコツと装備を充実させて受け入れ態勢の強化を図ると共に、新聞やテレビなどのメディア露出を積極的に行い、現在は年間1,000人以上が「やったろうde高島」でシュノーケリング体験を楽しんでいます。ライセンスを取得している経験豊富なインストラクターがガイドする安心安全な「シュノーケリングピクニック®」は、リピーターが多いのも特徴。低価格で体験でき、また見たくなる景色とまた会いたくなるスタッフが、ファンを増やしている理由です。
「毎年シーズン前にスタッフが潜り、海中清掃を行っています。高島の海はとてもきれいですが、海流の影響で漂着ゴミも流れつきます。シュノーケリング体験時に、漂着ゴミが原因で事故に繋がったら大変ですからね。今年は「LOVE BLUE助成」をいただけたことで、耐寒性の高いウェットスーツを新たに導入する予定です。それにより、これまでは10月までだった体験期間を11月まで延長することが可能になります。秋は水温が下がり、夏場には見ることのできない透明度の高い海中景観が広がるんですね。装備が充実することで、より多くの方々に「シュノーケリングピクニック®」を楽しんでいただきたいと思っています。こうした装備にも助成金を充てていますが、お金以上に助けられたことがあるんです。それは、「LOVE BLUE助成」団体に採択されたことで、行政や他団体からの見られ方が変わったこと。行政や地域との連携は、こういった活動を続けいくうえで、とても重要なことなんです」(「やったろうde高島」事務局・小村秀蔵さん)
平成29年に「第十二回全国エコツーリズム大賞」の特別賞を受賞。長崎県内では3団体目で、長崎市内からは初受賞となりました。
子供たちが動くと地域が動く!
環境教育活動をこれからも続けていきたい  
 
 平成29年7月1日、つり環境ビジョンコンセプトに基づくLOVE BLUE事業のひとつ、地球環境基金企業協働プロジェクト「LOVE BLUE助成」により、環境教育活動「高島クリーン作戦」が行われました。高島小中学校の児童・生徒14名を対象に、事務局の小村さんが環境教育の授業を実施。世界のダイビング・スポットを観てきた小村さんは、高島は世界的に見ても例のないダイビング・スポットだと言います。島全体が珊瑚に囲まれ、珊瑚礁まで泳いで1分という環境は、とても珍しいとのこと。そんな世界に誇れる地元の海を守っていくには、地域住民の理解と努力、時間とお金がかかることも生徒たちにわかりやすく説明しました。また、講義の中では「ウニのトゲが刺さったらどうする?」、「クラゲに刺されたらどうする?」などのクイズ形式で学んでいることもありました。こうしたやりとりの中から、海を正しく知ることで自分の命はもちろん人の命を救うこともできるようになること、それが海と共に生きる地域住民として必要なことだということも伝えています。講義の振り返りの時間では、児童・生徒の皆さんから「きれいな海を守るために掃除をしてくれている人がいる。自分も海をきれいにしていきたい」、「高島の海が、いつまでも安全で誇れる海であって欲しい」といった声が上がりました。
クマノミなどが映った海中写真に、児童・生徒の皆さんは興味津々。わかりやすい言葉で講義する小村さんの話に、先生方も興味深く耳を傾けていました。(海中写真提供/やったろうde高島)

 講義の後は、全員で高島海水浴場へ移動し、ビーチクリーン活動を実施。児童・生徒の皆さんや先生方に加え、地域住民の皆さんが参加されました。美しい海が自慢の高島ですが、海流によっては、漂着ゴミが入ってきます。回収したゴミを見てみると、ペットボトル、ビニール袋、プラスチックの破片が多く見られました。なかには海外から流れ着いたと思われるゴミも。また、今回は「やったろうde高島」スタッフによる海中清掃も実施。海中ゴミを回収していると偶然、珍しいイカの卵を発見! これには参加者の皆さんも大興奮。、写真や映像だけではない、実際に見ることが出来る貴重な体験になりました。活動の最後には、中学3年生が代表として。「今回の活動で、高島の海について考えることができました。また実際にゴミを拾ったことで、高島の海をきれいにすることができました。今日だけでなく、ゴミを見つけたら率先して拾いたいと思います」と、今回の環境教育活動の感想をまとめました。
長崎市立高島小中学校の渕上卓也校長。今回の活動のまとめとして、「この児童・生徒たちの顔を見ていただけたらわかると思います。きれいな高島を、高島の宝の海を、これからも守っていってくれると思います」と、コメントをくださいました。
最後に「やったろうde高島」事務局・小村さんもコメント。「高島に生まれ、高島に住んでいてよかったと誇れる海です。それを守るのは、あなたたちです」と参加者の皆さんに向けて話しました。
ビーチクリーン活動の様子。参加者の皆さんは小さなゴミも見逃さないよう、一生懸命にビーチクリーンを行いました。
「やったろうde高島」スタッフが海中清掃で引き上げたゴミのなかに、イカの卵を発見(写真◯部分)。中央の白い部分がイカの卵。一般的にイカの卵は産卵後20~25日くらいで孵化します。卵をよく見ると、中で動いている様子もわかりました。「卵の中にイカがいる!」といった感激の声も。このイカの卵は、地元の養殖センターの職員が引き取りました。
 7月19日には、1日に行われた「高島クリーン作戦」のビーチクリーン活動に参加した高島小中学校の児童・生徒の皆さんによる「シュノーケリングピクニック®」体験イベントが実施されました。天候にも恵まれ、本格的な装備品を身に着けて海に潜ると、目の前に広がるのは美しい海中景観。シュノーケリングは初めての体験となる参加者もいましたが、海の美しさを全員が楽しみました。そして、海の美しさと同時に海中のゴミを見ることで、環境保全の意識をさらに高めた児童・生徒の皆さん。その様子に高島小中学校では、今回の環境教育活動を高く評価をされていました。来年度以降も「やったろうde高島」と連携して環境教育活動を行いたいとのことでした。
7月19日に開催した「シュノーケリングピクニック®」体験後の集合写真。児童・生徒の皆さんのいきいきとした表情が印象的です。(写真提供/やったろうde高島)
 子供たちが動くと、地域が動き出します。そして子供たちの動きは、地域全体の活性化に繋がっていきます。今回の「高島クリーン作戦」は、単にゴミの問題だけではなく、さまざまな地域の問題を解決する第一歩になると思っています。そういう意味でも、子供たちを巻き込んだ活動は不可欠。子供たちと一緒に行う活動を継続していくことで、自動的に次世代も育つ。この考え方をベースにしながら、今後も活動を続けていきたいと思っています。資金や人的な課題など、活動を続けていくうえでさまざまな問題があるかもしれませんが、クリアできない課題はないと僕は考えています」(「やったろうde高島」事務局・小村秀蔵さん)

 地元の海の価値を伝え、ポジティブな連鎖が広がっていく活動を続けていく「やったろうde高島」。世界でもトップクラスの美しさを誇る高島から発信される、海の未来を考える活動にも、「LOVE BLUE助成」をお役立ていただいています。