新規
団体名 : 自然環境ネットワークSAREN
活動地域: 広島県
活動名 : 広島湾を始めとした瀬戸内海の漂着ゴミ削減に向けた調査・研究及びゴミ回収実践活動
活動内容: 瀬戸内海海浜における漂着ゴミの回収と漂着ゴミの状況把握調査など。
LOVE BLUE
~地球の未来を~
[特定非営利活動法人 自然環境ネットワークSAREN]
[特定非営利活動法人 自然環境ネットワークSAREN]
日時平成28年10月22日(土)
瀬戸内海周辺の豊かな環境と優れた文化を次世代に引き継ぐため、西瀬戸内海を中心とした地域の保全と振興を図る活動を続けている特定非営利活動法人自然環境ネットワークSAREN。つり環境ビジョンコンセプトに基づくLOVE BLUE事業のひとつ、地球環境基金企業協働プロジェクト「つり環境ビジョン助成」により、「漂着ゴミからアート作品づくり」を開催しました。身近な海の実態を楽しみながら考える環境学習活動の様子をレポートします。
瀬戸内海周辺の豊かな環境と優れた文化を次世代に引き継ぐため、西瀬戸内海を中心とした地域の保全と振興を図る活動を続けている特定非営利活動法人自然環境ネットワークSAREN。つり環境ビジョンコンセプトに基づくLOVE BLUE事業のひとつ、地球環境基金企業協働プロジェクト「つり環境ビジョン助成」により、「漂着ゴミからアート作品づくり」を開催しました。身近な海の実態を楽しみながら考える環境学習活動の様子をレポートします。
作品づくりを通して、
海について考える会話が生まれる
 平成11年に設立した「瀬戸内風光研究会」を母体に、平成22年に特定非営利活動法人自然環境ネットワークSARENとして発足。世界文化遺産の厳島神社がある宮島をはじめ、瀬戸大橋から西側のエリアを活動拠点に置き、前身団体から続けてきた海岸清掃や海域調査、環境学習活動を続けてきました。それら活動の目的は、社会環境の変化によって破壊と喪失の危機に瀕している瀬戸内海の自然・歴史・文化を、美しく豊かなままの状態で次世代に引き継ぐこと。本年度は「つり環境ビジョン助成」の採択が決まったことで、子供たちを対象とした楽しみながら学ぶ環境学習活動と、漂着ゴミ削減にむけた調査・研究が一歩前進しました。その一環として実施されたのが、広島湾全体の海洋メカニズムを知るための環境セミナー「広島湾の海況」と、海辺で漂着物を回収してアート作品をつくる「漂着ゴミからアート作品づくり」です。今回のレポートでは、楽しみながら学ぶ環境学習活動「漂着ゴミからアート作品づくり」の様子を中心に取材しました。
 つり環境ビジョン助成の対象事業である「漂着ゴミからアート作品づくり」が開催された10月22日は、あいにくの雨。その影響で一部プログラムを変更して実施しました。午前8時30分に呉駅前に集合したのは、9名の子供たちと親御さん。バスに乗車して約1時間後、倉橋市民センターに到着しました。当初は呉市倉橋町大向にある須之浦海岸で海浜清掃を行い、漂着ゴミや流木、貝殻を回収してアート作品を作る予定でしたが、雨天のため海浜清掃は中止。自然環境ネットワークSARENのスタッフが事前に海岸から拾ってきたプラスチック類、流木や貝殻などの海岸漂着物を使って作品作りを行うことになりました。最初にスタッフから漂着ゴミについての現状が説明され、その後、子供たちによる自由な創作活動が始まりました。学校の授業で扱うものとはまったく違う素材を手に取り、イメージを膨らませる子供たち。アートとしては魅力的な素材でも、それはもともと漂着ゴミ。作品作りをしながら「これなに?」と問いかける子供たちの疑問に、素材の説明はもちろん、なぜ海岸に流れ着いたのか、どうすればなくせるのかなど、SARENのスタッフが丁寧に答えていきます。「ゴミは決められた場所にきちんと捨てることが大事なんだよ」「ゴミを出さない工夫も必要だね」「きれいな海を守る気持ちを忘れずに」など、優しく説いていました。こうした時間を子供と大人が一緒に共有し、そこから生まれる会話を通して海ゴミの問題について考えることができました。
プラスチック類、流木に貝殻......。自然環境ネットワークSARENのスタッフが海辺で回収してきた漂着物を素材に、子供たちがイメージを膨らませます。
創作活動に熱中する子供たち。その目は真剣で、素材を手にした子供が「これなに?」と大人に尋ねる様子があちこちで見られました。この疑問が、海ゴミを考えるきっかけになるのです。
創意工夫によって完成した作品は、恐竜の船、貝の音が鳴るオブジェ、パズル、貝のネックレスなど、どれも個性的です。
「漂着ゴミで創作するとき、子供たちはとても熱心に作ってくれます。大人になると忘れてしまいがちな自由な創造力を、子供たちは持っているんですよね。大人が作る作品よりも、子供が手がけた作品のほうが明らかに面白い(笑)。プラスチック類にしても、それがもともと何なのか知らない子供も多いんです。でも、それが何か、なぜ発生してしまったゴミなのか、それを知ることができれば、地元の海の環境問題を考えるきっかけになると思うんです。世界文化遺産である厳島神社のある宮島には、縄文時代後期の海岸線がそのまま残っている場所があるんですね。でも、そういった場所にもゴミがたくさん漂っている...。とても悲しいことです。歴史的な遺産だけではなく、瀬戸内海自体が宝であることを、次世代を担う子供たちにも理解して欲しい。そのための活動こそ、当団体の使命だと思っています」(特定非営利活動法人自然環境ネットワークSAREN理事長 脇山功さん)
自然環境ネットワークSAREN理事長の脇山功さん。休憩時間には子供たちと一緒にチャンバラごっこを始めるなど、とってもきさくな方でした。カメラマンを生業とし、瀬戸内海の写真をアーカイブする活動も続けています。長年に渡り、ファインダー越しに瀬戸内の海を見つめてきた経験も、SARENの活動に活かされています。
広島湾周辺の海岸で撮影した漂着物の写真。(画像提供/自然環境ネットワークSAREN)
 今回の取材対象となった環境教育活動の他に、自然環境ネットワークSARENでは漂着ゴミ削減にむけた調査・研究にも力を入れています。ゴミがどこで発生し、どのルートで漂着するかを数値的に立証することで、合理的な海ゴミ回収の実現の取り組みを発展させていきたいと脇山さんは言います。次世代を担う子どもたちに環境問題をわかりやすく学習できるプログラムの実施や、地域と連携しながら取り組む海辺の保全活動に、「つり環境ビジョン助成」をお役立ていただいています。

次回のAction Reportもお楽しみに!