継続
団体名 : 誇れるふるさとネットワーク
活動地域: 鹿児島県
活動名 : 与論島における365日の海岸清掃活動と大学生との協働による海域調査
活動内容: 毎日の自主清掃とそれを習慣として拡げるためのゴミステーションの設置。今後の地域協働・連携の土台づくりのために地域内団体と合同で活動報告会を実施。
LOVE BLUE
~地球の未来を~
[誇れるふるさとネットワーク]
[誇れるふるさとネットワーク]
日時平成28年10月18日(火)~22日(土)
紺碧の海と珊瑚礁、白い砂浜に彩られた、息をのむほど美しい島・与論島。そんな"美ら島(ちゅらじま)"の海を守るため、海岸清掃活動と海域調査を続けているのが、つり環境ビジョンコンセプトに基づくLOVE BLUE事業のひとつ、地球環境基金企業協働プロジェクト「つり環境ビジョン助成」による継続助成団体、誇れるふるさとネットワークです。今年度は琉球大学院生との協働で、地域内の生活排水が海域にもたらす影響を分析するための実態調査も実施。昨年度の活動成果と反省を踏まえた、新たな取り組みが始まりました。
紺碧の海と珊瑚礁、白い砂浜に彩られた、息をのむほど美しい島・与論島。そんな"美ら島(ちゅらじま)"の海を守るため、海岸清掃活動と海域調査を続けているのが、つり環境ビジョンコンセプトに基づくLOVE BLUE事業のひとつ、地球環境基金企業協働プロジェクト「つり環境ビジョン助成」による継続助成団体、誇れるふるさとネットワークです。今年度は琉球大学院生との協働で、地域内の生活排水が海域にもたらす影響を分析するための実態調査も実施。昨年度の活動成果と反省を踏まえた、新たな取り組みが始まりました。
継続助成により活動が発展
生活排水の実態調査を始動
 昨年度、「つり環境ビジョン助成」対象事業となった海岸清掃活動「美ら島プロジェクト365」には、年間で延べ3,623人(内588人は観光客)が参加し、その範囲は島内8周分に及びました。与論町中央公民館で開催した活動報告会では、今後の活動へのアイディアを出し合うワークショップを実施。生活排水が島海域に及ぼす影響を考える場となり、与論町役場環境課の職員も出席していたことから、行政も加わって対策を促進していく契機となりました。地域住民の環境保全意識の向上を図ると同時に、行政と協働で行なう活動の土台づくりが出来たことは、大きな成果と言えます。誇れるふるさとネットワークでは、つり環境ビジョンコンセントに基づくLOVE BLUE事業のひとつ、地球環境基金企業協働プロジェクト「つり環境ビジョン助成」を昨年に引き続き受けたことで、本年度も365日の海岸清掃活動と海域調査を実施しています。この活動は、昨年度の助成対象事業の成果と反省を踏まえ、さらに発展させたもの。新たに着手した活動のひとつが、島内の生活排水が海域にもたらす影響を科学的に分析するための実態調査です。

「昨年は大学生との協働で、島内10カ所での水質調査を実施しました。その結果、海域と陸域、双方由来の影響による汚染が明らかになりました。そこで今年は、島内の生活排水にフォーカス。食器洗いなどの生活排水が周辺海域や珊瑚など海洋生物にもたらす影響を科学的に分析するため、その第一歩として、食器洗い後の排水の溶存酸素量を数値化する調査を、昨年から協力してくださった大学生が進学し大学院生となった現在も引き続き協力してくれています。調査の目的は、島内の地下、そして海域に流出する生活排水の現状を把握すること。実は与論島では、合併浄化槽の普及率が平成28年時点で48%とやや遅れているんですね。まだまだこれから整備が必要であり、そういった現状も鑑み、生活排水の現状を把握し、出来る限り環境を汚さない食器洗いの方法なども訴求していきたいと思っています」(誇れるふるさとネットワーク代表 池田龍介さん)
誇れるふるさとネットワーク代表の池田龍介さん。「美ら島プロジェクト365」の他、生分解性の高い洗剤の普及・販売や自然体験ガイド(スタンドアップパドル)、農家民泊受入れや与論島の文化継承のための研修なども行っています。
 取材で訪れた10月中旬の与論島は、気温30度を超える連日の真夏日。ハイビスカスがきれいな花を咲かせていました。生活排水の調査を行なった場所は、池田さんの自宅。成分が異なる複数の洗剤を準備し、カレーを食べた後のお皿を洗った場合、初日、2日目、3日目、4日目で溶存酸素量の値にどのような差が出るかを測定しました。洗剤の違いだけでなく、汚れを拭き取ってから洗ったケースも測定し、環境を汚さない"洗い方"の提案も視野に入れています。また、今回の生活排水の調査と並行して、10月22日に与論島で行われた〈よろんマルシェ〉では活動の普及と啓発を目的としたイベントを実施。重曹、セスキ炭酸ソーダ、酸素系漂白剤などの効果を比較する実験を行い、洗剤をできるだけ使わずに汚れが落とせる方法を来場者にレクチャーしました。洗剤を出来る限り海に流さない暮らし方を普及させていくことも、池田さんが積極的に取り組む環境保全活動のひとつです。
カレーだけでなく、魚の煮付けでも同様の測定を行い、料理や調理方法の違いによってどんな違いがあるのかも調査の対象にしました。今回の調査結果から浮上した疑問に対してさまざまな仮説を立て、今後の調査を通して検証していきます。
10月22日に開催されたのが、与論島で活動するさまざまなジャンルの作り手が集まる青空市場「よろんマルシェ」。より幅広い人たちに普及啓発を図るために、あえて環境保全関連活動とは異なるイベントと連携しました。洗剤の話以外にも、「ゴミを拾うこと、自然と一緒に暮らすこと」をテーマとしたトークショー、ビーチグラスコンテストを実施。ここでも「LOVE BLUE」ののぼり旗を掲げ、地球環境基金企業協働プロジェクト「つり環境ビジョン助成」の活動であることをアピールしていただきました。(写真提供/誇れるふるさとネットワーク)
 誇れるふるさとネットワークが発足時から続けてきた海岸清掃活動「美ら島プロジェクト365」は、本年度から活動形態が大きく変わりました。昨年度は日の出時刻に合わせて指定場所に集合してゴミ拾いを行なっていましたが、今年度は時間や場所を限定しない自主・主体的な清掃活動の普及と定着に努めています。池田さんが目指すのは、イベントではなくて習慣としてのゴミ拾い。池田さんが「美ら島プロジェクト365」の実施形態を変えた理由には、こんな想いがありました。

「僕が目指しているのは、この活動に多くの人を集めることではありません。
地域全体で活動を行なう人を増やすこと、さらに習慣を根付かせることなんです。「つり環境ビジョン助成」をいただけたこともあり、昨年度は活動も充実し、一定の成果が得られたと実感しています。その反面、「美ら島プロジェクト365」に賛同する一部の人間だけの活動という見られ方になってしまったという反省もありました。朝早い、集合場所がわからない、そういった参加しにくい理由を我々が作っていたんじゃないかって...。だから、今年度は時間と場所を限定しない、地域住民や観光客が道すがら、あるいは訪れた海岸などで自主的に行なう、そんな「美ら島プロジェクト365」にしたいと思っています。ゴミ拾いの道具がない、回収したゴミはどうすればいいのか、それら問題を解決するために、ゴミ拾いの道具と回収箱を備えた『ごみステーション』の設置を現在急ピッチで進めているところです。この費用の一部にも、「つり環境ビジョン助成」を活用させていただきました。持ち込みゴミでステーション内が荒れることがない、さらに、他の自治体にも真似してもらえるようなデザインやフォーマットを考えています」
島の南東に位置する赤崎海岸。この時期は北寄りの風なので、それほど漂着ゴミは流れ着いていませんでしたが、この美しい砂浜にも珊瑚に混じってプラスチックゴミが目立ちました。
池田さんが自然体験ガイドを行なっている大金久海岸。常に「LOVE BLUE」と「与論島365日ゴミ拾い」ののぼり旗を立て、美しい海を守るLOVE BLUEの精神とゴミ拾いの啓蒙を図っています。
今年度の「美ら島プロジェクト365」の様子。池田さん自身は毎日、海岸のゴミ拾いを欠かさず行っていますが、時には与論島を訪れた観光客の方と一緒にゴミ拾いをすることもあります。活動の様子はfacebook(https://www.facebook.com/tyurazima365)で見ることができます。(写真提供/誇れるふるさとネットワーク)

 誇れるふるさとネットワークでは、今回取材した生活排水の調査結果を含めた本年度の活動の成果と課題をまとめた、環境教育パンフレットを作成する予定。島内外に配布することで情報を共有し、環境保全の輪を広げていくことが狙いです。世界でもトップクラスの美しさを誇る与論島から発信される、海を守るための草の根活動。海の未来を考える意識と習慣を世界中に広げていく活動にも、「つり環境ビジョン助成」を活用いただいています。

次回のAction Reportもお楽しみに!