新規
団体名 : 能登半島おらっちゃの里山里海
活動地域: 石川県
活動名 : 能登の"里海"文化の継承と保全
活動内容: 海岸の漂着ゴミの実態調査と里海ワークショップの開催など。
LOVE BLUE
~地球の未来を~
[特定非営利活動法人 能登半島おらっちゃの里山里海]
[特定非営利活動法人 能登半島おらっちゃの里山里海]
日時平成28年10月1日(土)
世界農業遺産の認定を受けた、能登の里山里海(※1)。そんな日本の宝を、地域の力で保全し活用していくための活動をしているのが特定非営利法人 能登半島おらっちゃの里山里海です。つり環境ビジョンコンセプトに基づくLOVE BLUE事業のひとつ、地球環境基金企業協働プロジェクト「つり環境ビジョン助成」により、今年から「能登の"里海"文化の継承と保全」活動がスタート。里海の生物多様性を守り、次世代へと受け継ぐ活動が行われています。
世界農業遺産の認定を受けた、能登の里山里海(※1)。そんな日本の宝を、地域の力で保全し活用していくための活動をしているのが特定非営利法人 能登半島おらっちゃの里山里海です。つり環境ビジョンコンセプトに基づくLOVE BLUE事業のひとつ、地球環境基金企業協働プロジェクト「つり環境ビジョン助成」により、今年から「能登の"里海"文化の継承と保全」活動がスタート。里海の生物多様性を守り、次世代へと受け継ぐ活動が行われています。
つり環境ビジョン助成を活用し、
里海の生物多様性保全活動をスタート
 日本列島のほぼ真ん中、日本海に突き出た地形の能登半島は、その風土や環境に適応してきた伝統的な農業、文化、景観、生物多様性などが評価され、「能登の里山里海」として、平成23年に日本で初めて、国際連合食糧農業機関(FAO)により世界農業遺産に認定されました。
能登の雄大な海。外浦沖には豊かな天然礁が広がり、七尾湾・富山湾では大型の定置網漁が盛んです。春はサヨリ、夏は岩ガキやサザエ、秋は甘エビやノドグロ、冬はカニやブリなど獲れたての魚介が季節を問わず楽しめます。
 特定非営利活動法人 能登半島おらっちゃの里山里海は平成20年8月に能登の里山里海を地域の力で保全し活用していくために設立されました。これまでに荒廃した棚田やアカマツ林の再生、金沢大学と協働で里山を次世代に伝えるための人材育成などを実施。行政や大学など各組織と連携し、新しい協働の形を創り出してきました。
「団体を設立してから、我々は里山に根ざした活動を続けてきました。その間も、里海の保全活動にも取り組みたいと、ずっと考えていたんです。しかし、里海保全までなかなか手がまわらず、気がつけば8年が過ぎていました。そんな状況を打開してくださったのがつり環境ビジョン助成でした。本年度の助成を受けられることが決まって、里海の生物多様性保全に関する新たな取り組み「能登の"里海"文化の継承と保全」活動をスタートすることが出来ました。助成をいただいたことで、念願だった活動を始められ、団体としての活動を発展させることが出来ました。心から感謝しています。ありがとうございます」(能登半島おらっちゃの里山里海 理事長 加藤秀夫さん)
能登半島おらっちゃの里山里海の理事長 加藤秀夫さん。能登の大自然の中で育ち、幼い頃は能登の伝統漁法「タコすかし」(※2)が遊びのひとつだったそうです。
 今年からスタートした「能登の"里海"文化の継承と保全」活動は、第一弾として7月31日(日)に「おらっちゃの里海あそび2016」を実施。まずは里海を"楽しむ"ことから始めようと、石川テレビ放送の情報番組「リフレッシュ」によるエコキャンプツアーの参加親子10組とともに磯あそびを体験しました。続く8月20日(土)には海岸清掃活動「おらっちゃのクリーンビーチ2016」を、半島の外浦にあたる片岩海岸で実施。能登においても、海岸漂着ゴミの問題は例外ではありませんでした。能登半島おらっちゃの里山里海が新たに取り組む「能登の"里海"文化の継承と保全」が掲げる3つのテーマ、里海を"楽しむ""知る""守る"活動で、子供たちの環境問題に対する意識を高めていきます。
「おらっちゃの里海あそび2016」の参加者は、蛸島漁港で釣り体験をするチームと、小泊灯台下の海で能登の伝統漁法「タコすかし」をするチームに分かれ、海を親しむ充実した時間を過ごしました。(写真提供:能登半島おらっちゃの里山里海)
海岸清掃活動「おらっちゃのクリーンビーチ2016」は8月20日(土)に開催。朝9時から1時間程度の活動ではあったものの、地元の住民や地域の小中学校生など総勢32名が参加。海岸清掃に汗を流し、里海を守ろうという意識を共有しました。(写真提供:能登半島おらっちゃの里山里海)
 今回、LOVE BLUE取材班が同行させていただいた活動は、10月1日(土)に行われた「第1回 おらっちゃの里海釣り大会」です。会場は半島の内浦にあたる小泊漁港。参加者は、珠洲市内の小学校に通う児童とその父兄6組。対象魚のキスとアブラメを狙い、その釣果を競います。開会式を終え、ライフジャケットに身を包んで会場に到着すると、早速釣り大会がスタートしました。参加者が自由にポイントを選び、対象となるキスとアブラメを狙います。初めはターゲット以外の魚がかかりましたが、中盤になるとキスを連続で釣り上げる参加者もいて、釣り大会はヒートアップ。釣りをしている間は子供も大人も表情は真剣そのものでしたが、大会が終わる頃にはまずまずの釣果に参加者全員がにっこり。そして何よりも釣りを楽しみながら、豊かな能登の海、そこで育まれる生物に対する関心が高まったことが大きな成果です。

 釣り大会の後は、全員で小泊漁港周辺の海岸清掃。ペットボトルや空き缶などの漂着ゴミが回収されました。参加した皆さんは、清掃活動を通して「ゴミは捨てずに持ち帰る」という当たり前のことを、改めて全員で共有するという有意義な時間を過ごしました。「釣り大会だけでなく、海岸清掃も全員で行ったのが良かった。自然のなかで楽しんだ後は、感謝の気持ちを込めて清掃をするという大切なことを子供と確認することが出来た」という声も参加者から聞かれました。
日本海側に面した外浦と七尾湾・富山湾側に面した内浦の地形は大きく異なるため、漂着ゴミにも差異がないか調査しながら、海岸清掃活動を定期的に実施する計画を立てています。
釣り大会と表彰式の様子。
「大事なのは、珠洲のまちの人たちが私たちの活動に共感し、行動してくれること。それが一番の力になります。私たちの活動だけでは、どうしても限りがありますからね。"まち単位"になれば出来ることはたくさんあります。そのような働きかけも、積極的におこなっていきたいと思っています。能登の里山里海を地域の力で保全活用していくためのきっかけづくりが、私たちの使命。今後も金沢大学と連携して海洋生物のモニタリング調査をしたり、若い世代と連携したりしながら、未来を担う子供たちに能登の生物多様性を知ってもらう活動をしていきたいと思っています。私どもの活動は、地道な取り組みを続けていくことに意味があります。設立から10年経って、やっと地元珠洲の方々に能登半島おらっちゃの里山里海の活動が認められてきたところです。これからも焦らず一歩一歩、でも着実にやっていきたいですね」(理事長 加藤秀夫さん)

 今後は能登の里海を"知る活動"「里海ワークショップ」、能登の環境を"守る活動"「第8回おらっちゃの森づくり運動」の実施を計画しています。世界農業遺産に認定された能登の里山里海の文化と生物多様性を守り伝えるため、地域を市民、大学、企業、都市などと連携させながら、さまざまな活動を展開していきたいと理事長の加藤さんは意気込みを語ってくださいました。豊かで美しい里海を子供たちに継承するため、「能登の"里海"文化の継承と保全」活動に、「つり環境ビジョン助成」をお役立てていただいています。

次回のAction Reportもお楽しみに!

※1:里山とは、大自然(森林)と都市との中間に位置するエリアをさします。人が自然に働きかけて利用すると同時に、生きものが生息できるように守ってきた共生の場でもあります。また里海も同様に、人と自然(海)の領域の中間点に位置するエリアです。里山里海とは、人と自然が共生する大切な場所なのです。

※2:タコすかしとは、能登に伝わる伝統漁法。疑似餌をつけた竹竿で貝やカニを求めて岩場に来たタコをおびき寄せ、熊手と呼ばれる針で捕獲する漁のこと。