新規
団体名 : アンダンテ21
活動地域: 島根県
活動名 : 協働と次世代育成をめざした益田市水環境保全プロジェクト
活動内容: 市内海岸清掃と益田川河口部の一斉清掃。体験型環境教室も開催。
LOVE BLUE
~地球の未来を~
[アンダンテ21]島根県益田市津田海水浴場
日時平成28年8月6日(土)
天然鮎を育む清流「高津川」流域をベースとした、川と森の環境保全とまちづくり活動を平成9年から続けている特定非営利活動法人アンダンテ21。つり環境ビジョンコンセプトをもとに進めるLOVE BLUE事業のひとつ、地球環境基金企業協働プロジェクト「つり環境ビジョン助成」が本年度、新たに助成を実施させていただいたことで、海浜部の保全プロジェクトがスタートしました。川と森、そして海の環境を、未来を担う子供たちと一緒に考えるプロジェクトです。
天然鮎を育む清流「高津川」流域をベースとした、川と森の環境保全とまちづくり活動を平成9年から続けている特定非営利活動法人アンダンテ21。つり環境ビジョンコンセプトをもとに進めるLOVE BLUE事業のひとつ、地球環境基金企業協働プロジェクト「つり環境ビジョン助成」が本年度、新たに助成を実施させていただいたことで、海浜部の保全プロジェクトがスタートしました。川と森、そして海の環境を、未来を担う子供たちと一緒に考えるプロジェクトです。
美しい自然という"宝"への意識をもっと高めたい
 島根県西部を流れる一級河川「高津川」。国土交通省の水質調査で何度も"水質・日本一"に輝き(※1)、生息する天然鮎は名物として全国に名を馳せます。その日本随一の清流周辺の環境を守ってきたのが、特定非営利活動法人アンダンテ21です。川に生息する魚のデータ収集をはじめとする自然環境のモニタリング、川と森の環境学習会など、自然環境の保全とまちづくり活動を平成9年から続けてきました。
「地元の人たちにとって当たり前の存在である高津川は、地域にとって重要な資源であり資本なんです。でも、当たり前過ぎてその"宝"に気づかない人もいる。そういった人たちの意識を変えることを目的に、アンダンテ21は活動を始めました。川に目を向けると森に繋がり、そして海を考えることになります。昨年までは川と森の環境保全活動を続けてきましたが、「つり環境ビジョン助成」の助成団体として採択いただき、今年から海浜部の保全プロジェクトをスタートすることができました」(アンダンテ21理事長・豊田武雄さん)
国土交通省が実施する一級河川の水質調査で"水質・日本一"の称号を何度も獲得している高津川。豊かな森林からの清流が保たれ、良質な苔が育ちます。その苔を食べて育つ天然鮎が地元の名物になっています。
アンダンテ21理事長の豊田武雄さん。長期海外滞在から日本へ戻り、「こんな川は世界中どこを探しても他にない」と改めて高津川の美しさや価値に気づかされたとおっしゃいます。河川だけではなく、高津川流域全体の環境保全活動に、尽力されています。
 今年から始まった海浜部の保全プロジェクト第1弾が、8月6日に開催された「津田海岸ふれあいデー」です。朝8時30分に津田海水浴場に集まったのは、地域の小学生と保護者、そしてスタッフを含め約30名。理事長・豊田さんの挨拶とスタッフの皆さんの自己紹介の後、まずは参加者全員で海岸清掃を行いました。海岸清掃を終えると、親子で海を楽しむアクティビティの時間です。海を知り尽くしたアンダンテ21のスタッフの皆さんが講師となり、浜に生息する貝を観察したり、シーカヤック体験講座を実施。地元の海を知ることで、美しく豊かな海を未来に繋ぎます。
参加者の皆さんが、ゴミを拾っている様子。ゴミが海洋生物に対してどのような悪影響を及ぼすかについて学びました。
「ハマグリは生まれたときが直径約0.2ミリ、我々が食べられる大きさに成長するまで5~6年かかります。ハマグリは環境の指標となる生物で、川がきれいであれば立派なハマグリに育つんですよ。稚貝は全国的に減っている状況ですが、我々が7年間定点観測している結果を見ると、今年も益田市の浜には稚貝が発生していました。一方、高津川の鮎は減っています。これは川の問題に聞こえますが、川だけを考えていたんじゃなかなか解決できない。上流の森のことも考えなければいけないし、海のことも考えなければいけない。護岸工事や3年前の水害の影響など複合的な要因が重なっているので難しい問題ですが、壊してしまうのは簡単だけど直すには非常に時間がかかるということだけは間違いありません。今回、子供たちが海に入ってハマグリを観察したり、貝の生態を少しでも知ってもらうことで、何が正常なのかということを伝えたかった。次世代の子供たちに、この意識を繋げることが極めて大切だと思っています」(アンダンテ21副理事長・佐々木隆志さん)
アンダンテ21副理事長の佐々木隆志さん。50年以上に渡って貝殻をコレクションされている、貝のスペシャリスト。
今回は特別に県の認可を受け(※2)、貝の採集体験学習を実施。産まれたばかりのチョウセンハマグリやチゴバカガイ、スナホリガニが見つかりました。貝によって砂のもぐり方が違うなど、その生態の違いについて佐々木さんに教えていただきました。
アンダンテ21事務局の齋藤遼さん。益田の浜で子供の頃から釣りをされており、この日はキス釣りを子供たちにレクチャーされていました。
「こんなにきれいな浜なのに、海水浴をしている人がほとんどいないんですよ。僕が子供の頃は、夏休みといえば釣竿を持って海で過ごしていたのに...。今は釣りをする子供も減ってしまったし、親が海の遊びを知らないというケースも多いと思うんです。やっぱり田舎ならではの楽しみ方は、しっかり伝えたいですよね。今回のシーカヤックや釣り体験も、安全に海で遊べることを参加者の皆さんに知ってもらって、海に関心を持ってもらえたらと思って企画しました。「つり環境ビジョン助成」のおかげで今年から海浜部の保全プロジェクトを始めることができたので、これからも自治体や公民館、地域の釣りクラブなどと連携して、継続的に活動していきたいと思っています」(アンダンテ21事務局・齋藤遼さん)

この日、参加者の皆さんは、8艘のカヤックとヨットに乗りました。透き通る海から魚影を追ったり、陸上では見えない景色を楽しみました。海の美しさや強さ、生命を育む力を体験することで、自分たちの海は自分たちで守ろうという意識を持ち帰ってもらいます。
 浜辺で貝を手に採り、キラキラした目で見つめる女の子たち。透き通った海をカヤックで進み、魚影を追う男の子たち。そして子供たちに負けず、一緒に海の中に入って楽しむ大人たち。海や川、そして森を歩くと見えてくるもの。それが地域の宝です。

「地域の皆さん、学校の先生、自治会や公民館の方々と手を組んで、ここに住む子供たちが目の前の自然を宝と思えるような環境教育を続けていきたいですね。今日のようなイベントは、あくまで自然環境に対する意識を持ってもらうためのキッカケ作り。我々の活動の目的はイベントではなく、地域住民の意識を変えることなんです。益田の海岸は約30kmあり、全部で7つの浜があります。今年は3箇所の浜で活動することが決まっているんですが、自治体や地元の皆さんとも連携して、海辺の環境保全の下地作りをしていきたいと思っています」(アンダンテ21理事長・豊田武雄さん)

 川と森の環境保全活動を続けてきたアンダンテ21。高津川流域の保全を考えるなら決して無視できない海の保全活動を、「つり環境ビジョン助成」による助成を機に押し進めることができたと、関係者の皆様から感謝の言葉をいただきました。清流と繋がる益田の海を豊かにし、高津川のおいしい天然鮎や益田の海で採れる立派なハマグリ、そして自然と触れ合う子どもたちの笑顔を守る活動に、「つり環境ビジョン助成」をお役立ていただいています。  

 次回のAction Reportもお楽しみに!
アンダンテ21事務局の齋藤さんが以前、海岸で見つけたという大きく美しいハマグリの貝殻を見せてくださいました。ハマグリは森や川など周辺環境の指標とも言われ、アンダンテ21の活動の象徴でもあります。アンダンテ21では、市民参加型の稚貝調査やハマグリ貝アート展も行っています。
※1:
参考URL
島根県庁ホームページ
http://www.pref.shimane.lg.jp/admin/seisaku/koho/esque/2013/88/01.html
益田市役所ホームページ
https://www.city.masuda.lg.jp/soshiki/129/43.html
※2:
子供たちに向けた貝の採集体験学習を実施するにあたり、アンダンテ21は島根県より水産物に関する特別採捕許可を得ています。